2014年8月1日金曜日

【報告書】 スキルアップセミナーシリーズ第1回断熱自然系木質断熱材セルロースファイバーを知る

スキルアップセミナーシリーズ第1回断熱自然系木質断熱材セルロースファイバーを知る
(2014年6月28日開催)




青年委員会では、青年委員会の活性化を目的に平成2526年度の活動として3つの小委員会を設置し公益性のある事業を企画しています。その小委員会の1つである木造住宅研究小委員会では木造の応急仮設住宅を題材にした各種セミナーを開催し、建築士会会員のみならず一般の建築士の方々のスキルアップに繋がる取り組みをしている。

赤穂で開催された小委員会


平成24年度に近畿建築士会協議会青年部会PR委員会で応急仮設住宅について取り組み発行した「応急仮設住宅に関する報告(書)」を基に、木造住宅研究小委員会では「断熱」「設備」「構造」の3つの項目について研究に取り組んでいます。今回は「断熱」について工場見学や実務に直結する内容のセミナーを企画、開催し、建築士会会員のみならず、一般建築士の方が参加しても役に立つスキルアップセミナーを、自然系断熱材である「セルロースファイバー」を製造販売している株式会社兼久さんとの協業で、平成26628日に株式会社兼久三木工場、エオの森研修センターで開催しました。

応急仮設住宅に関する報告書


㈱兼久 三木工場




工場見学では㈱兼久の田中氏にセルロースファイバーの製造過程や、セルロースファイバーの原材料が不要になった古新聞であることの説明を受け、その古新聞は神戸新聞社から仕入れていること、地元の古新聞からつくられた断熱材(セルロースファイバー)を地元の建物に使う事から地産地消であり、焼却処分せずに断熱材として再利用することから、環境に配慮した「地球にやさしい」エコ断熱材であるとの説明をしていただきました。

セミナー開始前の挨拶 
左から講師の小泉氏、講師の近松氏、㈱兼久社長の田中氏
工場内に搬入された神戸新聞社の古新聞
田中氏より製造工程の説明を受けている様子。

製造工程の説明に続き、壁の中に断熱材を吹き込む「ブローイング工法」の実演を見せていただき、施工の際の注意点についても説明していただきました。また、セルロースファイバーは燃えない断熱材であることの実験も見せていただきました。

ブローイング工法の様子。

バーナーによる燃焼実験の様子

防音効果の比較実験の様子。


燃焼実験後の表面だけが焦げた様子。

参加者が各実験を見ている様子。


工場見学の後はエオの森研修センターに移動して、小泉昭雄氏からはセルロースファイバーの全般的な説明を、近松慶孝氏からは改正省エネルギー基準の解説と外皮平均熱貫流率(Ua値)について、専門性の高い内容の説明をしていただき、内容の濃いセミナーを開催することが出来た。
また、Ua値の計算の際には4人から5人の班を作り、自己紹介などを各自が行い初対面の方とのコミュニケーションが取れ和やかな雰囲気の中、お互いにわからない所を聞き合うなどして実際に計算を行うことが出来たこともあり、より深く理解度することが出来た。

エオの森研修センター



セミナーの様子

班ごとに課題に取り組む様子。


今回のセミナーには定員30名に対し、一般4名、建築士会会員22名(内青年委員会14名)の合計26名の方から申し込みがあった。セミナーに参加して、セルロースファイバーの全般的な専門知識と、改正省エネルギー基準について学ぶことが出来た。また、外皮平均熱貫流率(Ua値)の計算においては木造住宅研究小委員会で取組んでいる、木造の応急仮設住宅を題材にすることで、兵庫県内に木造仮設住宅を建てる際に必要な断熱性能についても学ぶことが出来た。今後も木造仮設住宅を題材にしたセミナーを企画し、建築士会会員を始め一般の建築士の方が参加して役に立つセミナーを開催したいと思う。
最後に、セミナー開催に協力していただいた、株式会社兼久社長の田中様、講師の小泉様、近松様に厚く御礼申し上げると共に、セミナー開催に協力していただいた青年委員会のメンバーに心からお礼申し上げます。

セミナーに参加した青年委員会メンバー



文:木造住宅研究小委員会 堀田