2013年8月10日土曜日

平成25年度 兵庫県建築士会青年委員会 第3回定例会議(8/10会議)の報告

報告書(PDF)

平成25年度 兵庫県建築士会青年委員会 第3回定例会議(8/10会議)の報告

報告者:龍野支部 衣川幸文




第1部  閉校校舎活用プロジェクトの見学会  10:00~12:00
  
       養父市大屋町 BIG LABO(旧県立八鹿高校分校)、および木彫展示館 にて

 参加者は、青年メンバーと案内スタッフや一般の方も含め28名くらいだったと思います。


 今回は、南但支部のみなさんに準備を進めていただき、使われなくなった建物の活用事例を解説付きで見せていただきました。 1つ目は『おおやアート村 BIG LABO』です。 これは2010年3月に惜しまれつつ廃校を迎えてしまった旧県立八鹿高校分校の施設を利用し、1994年から芸術公募作品展などで蓄積してきた地域の芸術資源を活かしたまちづくりを行おうとする動きの中から生まれました。 体育館を改装して大型展示施設としたり、木造校舎を活かして木彫、木工、絵画、書、染織、陶芸など多彩な芸術家がここを拠点に活動したり、多彩な芸術体験が出来るスペースとして地域のみなさんと共に今を歩んでいます。




 施設の名称『おおやアート村 BIG LABO』は、まちづくりの大きな実験場という意味を込めて名付けられたそうです。 また、芸術に関係したことばかりでなく地域の集会施設としても活用したり、子供たちが気軽に集まれるようにと校長室を漫画図書館として利用するなど試行錯誤を繰り返しながらの運営を続けておられるようです。 まだまだ発展中です。




 2つ目は『木彫展示館』です。 BIG LABO設立に大きな影響を与えた“木彫フォークアート・おおや”のグランプリ作品などを常設展示している建物で元々は、地元で活躍されていたお医者さんの住宅と診療所だったものを改装して展示スペースにしてあります。 この周辺では、過去に養蚕が盛んであり、それを思わせるに相応しい建物が多く建っていたようですが、町医者の家屋・診療所となると造作が全く異なり面白かったです。 またこの辺の建物の壁も但馬独特なのか漆喰などで仕上げずに土壁で仕上がりという形式が多くありま
した。 良い土が多く出たのでしょうか。

 展示してあった作品もグランプリクラスばかりなので面白いものばかりでした。 中でも私のお気に入りは第2回のグランプリ作品だった、本から飛び出している猫でテーマが“エスケープ”という作品。 木彫でここまでリアルな面白いものが出来るのかと感心しました。 お時間あればみなさんもぜひ足を運ばれてはいかがでしょうか。




 これらの建物には、案内をしてくださった南但支部の現支部長さんが大きく関わられたそうで、ここでも建築士会の仲間が奮闘されているということを知ることができ、とても嬉しく思いました。 どこへ行っても先輩方の足跡がある。 青年委員会・各支部青年部会メンバーにとってもたいへん心強いことではないでしょうか。 私たち青年建築士も頑張っていきましょう!


ちょっと一息  お弁当懇親会   12:00~13:00   ふれあい交流の家「いろり」 にて


 お弁当の配達が若干遅れましたが、無事に手元に届いてランチタイム開始。 ただ残念なことにたいへん暑く、みんなの言葉数が少なかったのが印象的でした。 とにかく暑かったです。


第2部  青年委員会運営会議および小委員会  13:00~17:00

                            ふれあい交流の家「いろり」 にて


 参加者は、議事録によると26名だそうです。(諸事情により途中退場者あり)


 小委員会の後に運営委員会を行う予定でしたが、諸事情により順序を逆にして行いました。 前項でもお話していましたが、この日は非常に暑く、会場の趣旨もありエアコンは装備されていません。 「果してここで会議は成立するのか!?」といった懸念がありました。 私も含めほとんどの者が「放心」を余儀なくされたと思います。 しかし、誰一人として不満を口にすることなく、倒れることなく青年建築士の気合で何とか乗り切りました。




 会議の詳しい内容は、後日メールで送られてくる議事録を参照してください。 ここでは、議事録でまぁ気付かない“この会議の過酷さ”が少しでも伝われば良いかと思っています。

 ただ、ここでフォローをしておきます。 養父市大屋町の隣接市に住んでいて、ここをよく通りすがる者として弁明させていただきます。 夏だから暑いです! 海端だろうが山間だろうが暑いもんは暑い! これは、揺るぎない鉄の掟です。 ただ例年なら、会議の時間帯くらいにちゃんと夕立があって雨が降るんですよ! だって山間の町ですもん。 普通ですやん! でも、この日この時にたまたま降らんかっただけなんです! その証拠に私の地元の宍粟市。 みんなで暑さに耐え忍んでいる時、ちゃんと夕立きてますもん。 雷が落ちまくって関電がたいへんだったらしいですけど。 きっと次は、夕立きますって!



第3部  懇親会(省エネクッキング体験)  17:00過ぎ~不明   
                            ふれあい交流の家「いろり」 にて

 参加者は、南但支部長も含め14名ほど。


「あの過酷な会議は、この時の為だ!」と絶叫しても誰も咎めないと思われる状況下で行われたバーベキュー大会。 これには絶対に参加すべきだったと思いますよ! ビールが美味かった! 南但支部のみなさんがおっしゃるには、会議の前日くらいに「もしかして但馬牛……」という内容でメーリングが流れてきたばっかりに、ほぼ当日に牛肉が「但馬牛」にグレードアップされたそうです。 やっぱり我慢せず希望を主張してみるもんですね。 さりげなく遠巻きに伝えても青年メンバーならちゃんと期待に応えてくれることが証明された瞬間でした。



 また北播磨支部の佐治さんが裏の顔である“ソーセージ焼き職人”の技を存分に発揮してくださいました。
 次回は、建築士会の何らかの行事で披露してくださるのではないかと期待しております。 なお現在、“ソーセージ焼き”の職人技を継いでもらうべく弟子を募集しております。 希望者がいない場合は、こちらから指名させていただきます。
 先日ご紹介しましたが、今回の会議で「たじまdeナイト」と称した企画をあげていました。 この時間は省エネクッキング体験として炭火を使った調理法と違う角度から見た省エネ“地産池消”を体験することとなっていました。 食材は、但馬牛をはじめ、南但支部長さんの畑や田んぼで獲れた野菜やお米などを準備していただき、これ以上ない地産池消を体験させていただきました。



第4部  たじまdeナイト(兵庫青年建築士座談会) 
   ~保存・活用から見る『都市』と『地方』と『エネルギー』~  たぶん20:00~不明  

                               ふれあい交流の家「いろり」 にて


 参加者は、たぶん13名ほど。(南但支部長は、踊りの合わせ練習に出掛けられました)
 

 会議日の直前に「たじまdeナイト」なる急な企画書を宿泊予定の私を除く3名、正副委員長、但馬ブロックの各部会長にひとまず出させていただきました。 懇親会後の時間を建築座談会で過ごすということで“保存・活用から見る『都市』と『地方』と『エネルギー』”というテーマを設定しておりました。 会議当日にも案内させていただき、みなさん半信半疑の中で参加してもらったわけですが、今回特にテーマ設定から当日までが非常に短い時間しか無かったのにもかかわらず、北播磨支部の佐治さんがこのテーマに関する情報を色々と調べて語っていただけるほどに準備をしてくださっていました。 本当にありがとうございました。

 この「たじまdeナイト」では、佐治さんが調べてくださったエネルギーに関する情報をクイズ形式で出し、それについて建築の観点から意見交換や議論を展開するという方向性で進んでいきました。 取っ掛かりは、やはり誰もに身近な“住宅のエネルギー”に関する話から。 この佐治さんが調べてきた情報が実は「知っているようで知らない」というようなものが多く、多かれ少なかれ委員会メンバーもかなり勉強出来たのではないかと思います。 
「オール電化をお客さんに勧めるかどうか」とか「原発は必要かどうか」など、本当に色々なエネルギーにまつわる話が出来たのではないかと思います。



 この流れを具体的に言いますと……

 佐治さん:「たじまdeナイト!」
  
 みなさん:「たじまdeナイト!!!」

 佐治さんから出題、みんなが解答していき、だいたい出揃ったところで正解発表。

 そして、それについての意見交換。
 だいたい煮詰まってきたら、ちょいまとめて次の出題へ。

 佐治さん:「たじまdeナイト!」

 みなさん:「たじまdeナイト!!!」

 こんな感じです。 参加された方は分かっていただけたと思いますが、このやり取りが内容も
 ちゃんと伴っていて思ったより結構楽しかったですよね。



 正直なところこの企画が想像以上に盛り上がりを見せたのに驚きました。 みなさん“のる”タイプの方ばかりです。 あと喋りたい方も多く、話が尽きることがありませんでしたね。 今回の感じでいくとキッチリ準備しておけば一般参加者を交えても十分に成り立ちそうですし、そうなると間違いなく“公益事業”として進めていけるかと思いました。

 ただ今回のように純粋に青年建築士だけで火を囲んで語り合うというような場があった方がいいなと思いました。 本当に楽しかったですよ。
 この「たじまdeナイト」のテーマで私は「解体撤去して新築する」よりも「保存して上手に利用していく」という事もエネルギー環境を考える上で大事だということと、大阪・神戸などに住む「都市部の方」があまりエネルギーを使わなくても生活出来る田舎など「地方」で週末だけでも過ごしてくれるだけでかなりの省エネ効果がありますね、という話をしたかったのですが、そんなことをわざわざ言う必要も無く、誰もが感じていたと思います。

 「たじまdeナイト」終焉、夜空を見上げれば雲一つ無く綺麗な星空が広がっていて、エアコンを必要と感じさせないような爽やかな風が吹いていました。
 またこのような企画を誰からともなく発信し、それにみんなで乗っかっていくというような、こんな機会を楽しみにしています。
 参加してくださったみなさん、ご協力ありがとうございました。



以上、8/10会議の私的な報告でした。